夏の温度調査報告
いよいよ暑さ本番の季節になりましたが、今回の温度調査は、昨年2016年8月1日~8月31日の1カ月間、2時間おきに、外気及び住宅内11ヶ所の温度と、湿度を計測した結果の報告です。
調査にご協力いただいたお宅は、諏訪地区、延床40.8坪 3人家族というお宅です。奥様は在宅で子育て真最中です。2015年の夏は、寝る前に1時間ほど冷房をかけたそうですが、2016年は、ほぼ無冷房で過ごされたそうです。窓の開閉によって室温をコントロールするのですが、PM7:00~8:00頃にドレーキップ窓を内倒しに明けます。(ドレーキップ窓とは、内倒し、内開きの両方に使える窓です。内倒しにした場合は、雨が吹き込まず、防犯セキュリティーも守られます。)翌朝起床後AM6:30~7:00に掃出し窓を開けて冷気を導入します。その後、暑くなる前AM8:00頃窓をすべて閉めてPM7:00までそのままに過ごします。
もちろんHRオーニング(掃出し窓)、HRシェイド(ドレーキップ窓)、HRフィルムは装着しています。
HRオーニング=洋風ヨシズを当社が加工して耐久性を上げたもの
HRシェイド=ドレーキップ窓の外側に熱線吸収ポリカを取り付ける当社のオリジナル日除け
HRフィルム=掃出し、ドレーキップ以外の窓に貼られる、透明度は変わらず、日射熱をカットするフィルム
「1日を通じて室内温度変化が小さい」
表1をご覧ください。
室内各部屋の24時間の温度差が小さいのに驚きます。最大日較差1.6°です。エアコンでコントロールすれば、可能でしょうが、機械でコントロールされたかの様な、室温の推移です。
「無冷房で、室温は26°台をキープする」
玄関ホールがやや温度が高いのですが、その他室温は26度台をキープします。この冷熱源は、外気だけです。窓の開け閉めだけで、この温度環境を作ります。グラフ1を参考にしてください。
「湿度も1日を通じ安定」
表2をご覧ください。湿度も終日安定しています。外気の湿度はずいぶん上がり、下がりをしますが、これは温度が上下する為です。空気中の含有水蒸気量は一定ということがわかります。
気になる床下の湿度も70%を切っていますので、問題を起こしません。
「冷房費は当たり前ですが、かかりません」
表3をご覧ください。6月10月を標準月(冷房も暖房もしない月)として、冷房費、暖房費を計算であぶりだすのですが、冷房費がかかっていないのがわかります。
8月などは、逆に電気料が減っています。水温アップとエコキュートの効率アップの為だと考えられます。
「冷房をした前年(2015年)の光熱費は?」
表4をご覧ください。2015年はお休み前に1時間ほどエアコンを稼働させた。とおっしゃっていましたが、2015年と2016年の「7,8,9月光熱費計」の差は、936円です。
年により外気温も違いますが、冷房費の負担は非常に小さいと言えます。
「まとめ」
最初にコメントしましたように、外気の開け閉めだけで、この室温環境を作り上げるというのは、家も凄いけれど、住んでいる方の工夫も凄いと思います。年間の光熱費も11万、12万円台です。(冬の温度計測も素晴らしい結果でした。)この施主様には、いつか「ここまで使える高気密高断熱住宅!」と題して講演を依頼するつもりです。
造り手の予想を超えた暮らしが、すでに実在しているのに率直に驚きを覚えます。