光熱費調査|諏訪・松本・伊那の注文住宅ホームライト 長野県の気候に適した暖かい家づくり

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光熱費調査

光熱費調査 2003


太陽光発電のその効果

今回の ランニングコスト調査 住まい感アンケートでは 20件のOB客様に御協力いただきま
した。まことにありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

オール電化住宅 太陽光発電搭載  電気蓄熱暖房 FFストーブ暖房 FFストーブ暖房+エアコン暖房
20件 11件 13件  5件 2件
100% 55% 65% 25% 10%
という内訳でした。 以前からいただいているデータも含めて検討しますと、いろいろなことが
発見できましたので、この特集を通じて順次報告をしていきます。
最初に 太陽光発電について報告します。太陽光発電機によって発電された電力は、先ずその時
(発電している時)に、家庭内で使用されている電力に充当されます。その上で余った電気を、
中電に売るわけです。当社の表示でも売り電費が年間5万円であったとか6万円であったとかと
いった表現をしていますが、家庭内で充当された電気料と売り電費を合計した額が太陽光発電が
1年間に稼いでくれた金額になります。表1をご覧ください。

2003年 年計 
夜間使用量 10,520
夜間家電量 1,000
給湯電力量 5,219
暖房電力量 5,141
昼間買電量 1,633
昼間充当量 1,142
昼間使用量計 2,775
太陽光売電量 2,629
昼間充当量 1,142
太陽光発電量 3,771
買い電料金 131,875
充当分料金 28,550
実質電力料計 160,425
売り電料金 62,458
充当分料金 28,550
太陽光発電量 91,008 
差引き支払額 69,417
売り電比率 0.70
箕輪のお客様のデータを使用させてもらいました(太陽光発電3.17kw搭載)。茶色の欄を見
ると太陽光の売り電量(2629kw)と家庭内に充当された量(1142kw)が記されています。
この合計が年間の太陽光発電量(3771kw)となります。同様に黄色の欄は、中電からの請
求額(131,875円)と充当電力費(28.550円)の合計額が実質の電力使用料
(160,425円)であり、太陽光発電が実質に稼いだ額は(91,008円)であることを
示しています。

2002年 地域 発電量年計 電池量 発電/kw 金額換算
  箕輪 3493kw 3kw 1164 84,356円
  岡谷 3351kw 3kw 1117 80,927円
  茅野 3389kw 3kw 1129 81,844円
  岡谷 5831kw 5kw 1166 140,819円
  茅野 3351kw 3kw 1111 80,540円
  平均     1137.4  
2003年 箕輪 3293kw 3kw 1097 79,526円
  岡谷 3190kw 3kw 1063 77,039円
  茅野 3201kw 3kw 1067 77,304円
  岡谷 5466kw 5kw 1093 132,004円
  茅野 3073kw 3kw 1024 74,213円
  松本 3671kw 3.12kw 1176 88,655円
  箕輪 3771kw 3.17kw 1193 91,008円
  岡谷 3417kw 3kw 1139 82,521円
  平均     1106.5  

今回、この様に太陽光発電単独の収支について計算しましたが、当社の考えは、あくまで「太陽
光発電は、本物の省エネルギー住宅システムの一部」なので、採用を強くお勧めします。
 最後に、グラフ1をご覧ください。Aは2003年の岡谷市のお客様の年間発電量、Bは2003年
の東京都町田市のお客様(当社施工、県外もお任せください)の発電量です。どちらも3kw搭
載ですが、町田市では、冬場に発電量が多く、夏場に少ないのがはっきり表れています。「太陽
光発電は、温度が低いほど効率が良い」のですが、現実にこういう数字を見ると「なるほど
なー」と思いました


給湯に要する電力量
給湯に要する電力量について報告します。先ず 基本的な事を少しお話します。今回データ協力を頂いたOB客様は、全て「時間帯別電灯契約」という電気料の契約を中電と結んでいます。この「時間帯別電灯契約」(以下TOU)とはどんなものかと言いますと、23:00〜7:00(8時間)の間電気量は通常料金の約3分の1、そのかわり 7:00‾23:00(16時間)は、電気料が通常の125%になるという契約です。これに対して「深夜電力契約」という契約が有り、この場合は、電気温水器の7:00‾23:00の電力料金のみが約3分の1になり、昼間の料金は変わらずというものです。基本料金も含めて考えるとTOUの方が有利になるのでTOUを薦めさせてもらっています。
 このTOUの場合、夜間電力使用量には、23:00‾7:00までの全ての使用電力が一緒に請求されてきます。ですから、蓄熱暖房をお使いのお客様は、夜間電力使用量として、暖房に使われた量、給湯に使われた量、その他家電、とが合算されて計上されます。この内訳がどうであったかは明らかになりません。

 そこで今回の内訳計算の手順は、先ず、一般家電の夜間使用量は「冷蔵庫、シャワートイレ、24H換気、その他プラスα」とし、算定します。その後 蓄熱暖房でなくFFストーブを使用しているお客様の夜間使用量から、この家電使用量を引くと、給湯電気量が求まります。次に総夜間電力量から家電と給湯電気量平均を引いたものを暖房電気量と推定するという方法で行う事とします。  先立って昼間使用電力量について説明します。昼間とは言うものの7:00‾23:00の暖房、給湯を除く電気使用量ですから、灯油で暖房給湯をしている家庭の電気使用量にほぼ匹敵します。(IH除く)グラフ1を見てください。これは、当社のお客様の月別昼間電力量の平均です。1年間を通じて電気使用量がほぼ均一です。冬季になって電気料が跳ね上がらないのは、凍結防止帯が無く、電気コタツ等も使われていない為です。1月はやや高めですが、冬が原因というよりは、お正月のせいでしょうね 。続いてグラフ2をご覧ください。A〜Pまでの16邸を延床坪数の順にならべ、各邸の年間昼間電力使用量をグラフにしました。延床坪数は、昼間電力使用量と関係ないという事が読み取れます。H邸、I邸、P邸が突出していますが、H邸は、合併浄化槽の排水を常時ポンプアップしているのが原因だと思われます。
P邸はご自宅で塾をされているのが影響していると思えます。I邸は、原因がはっきりしませんので、聞き取り調査に伺う予定です。この、突出した3邸を除いて、平均しますと、その他のお宅の昼間電力使用量は、2.705KWH/年となります。基本料金を除き、電力料金を(25円/KW)として計算しますと、年間の昼間電気料は、71,006円(税込)、5,917円/月となります。この額に、給湯電気料、暖房費、夜間家電費を足した額が、当社お客様の、年間平均電気料となります。

次に給湯に要する電力量に移ります。表1を見てください。電気温水器+FFストーブをお使いのお客様の世帯人数と年間給湯使用電力です。グラフにしたものがグラフ3です。世帯人数と給湯電力量は比例しそうなものですが、グラフを見るとそうとも言えない、各家庭の使用状況によると考えた方が良いようです。






2003年と比較
このデータを2003年平均と比較して見たのが表5です。
2003年時点では、給湯=電気温水器、暖房=蓄熱暖房器がフル電化住宅の標準システムでした。2003年の平均から比べますと、昼間消費電力が544KWH増えています。これは、エアコンにて暖房した為です。(蓄熱暖房器は、全て夜間電力)また夜間電力が7,669KWH減になっています。2003年時は夜間電力の9割以上が、給湯暖房の電力消費であったことから、これは、給湯暖房の電力消費が著しく減った為と考えて良いと思います。もちろん一般家電が省エネ仕様になったことも影響があるのでしょうが、2003年データでは、一般家電の総消費が、4,135KWHでありましたので、その30%が削減したと仮定しても、トータル電力量 7,115KWH減の内 5874Wは 給湯暖房の消費電力が減った事になります。グラフ3 にまとめてみました。給湯暖房に要する電力が半減以上したことが見て取れます。






続いて表2をご覧ください。「住まいと電化」に掲載されていた中部地方の給湯電力量のシミュレーションです。







表3は当社お客様の実績平均です。グラフにしたものがグラフ4です。見事に一致していますが、実は少し問題があります。
■発見1 諏訪地方では、冬のほうがお湯をたくさん使う 

 前回に続き、給湯に要する電力量、についてお話します。「給湯電力量は、何に影響されるか?」といえば、「湯使用量、水温、器具効率、気温」の4要素です。この内、器具効率はエコキュートと電気温水器では大きく違ってきますが、お互い電気温水器であれば、その差は無視してよい。また、気温の影響は、温暖な地域では、ほぼ無視してよい。当社の建物では、温水器は、断熱層の内側に設置しますし、配管も断熱層の内側を通りますから、温暖な地域において屋外設置した場合よりも、気温の影響を受けない。
そうしますと、給湯電力量は、湯使用量と水温によって決定されるわけです。ここで前回の表、「中部地方のシミュレーション(住まいと電化より)」と、「当社お客様平均」に再登場願います。(表1,2) 

表1.中部地方シミュレーション(住まいと電化) 湯使用量は、42℃として1日の使用量



表2 当社お客様実績平均   湯使用量は、42℃として1日の使用量 

この表のポイントは2点。「住まいと電化のシミュレーションでは、42℃湯使用量を、年間ほぼ一定と仮定していること」「諏訪地方の水温(注1)は、名古屋地方より安定している」という事です。
(注1 水温について)この表で、諏訪地方の水温として採用しているのは、岡谷市(深井戸)のデータです。茅野市 諏訪市のデータももらいましたが、水源地の水温データなので、1年中ほぼ一定(12℃‾16℃)でした。岡谷市は、水道の蛇口水温データですので、これを採用しました。諏訪地方の水道は、水源が湧水なので、この岡谷市の水温データを使用しても、市町村による大きな誤差は生じないと思われます。
(住まいと電化)のシミュレーションも、データに基づいて行われたものでしょうが、(実際 季節によってお湯の使用量が変わるとは考えにくいですよね)当社のお客様実績では、表2の様に冬季の湯の使用量が増える傾向が読み取れます。主婦の皆さんの実感としてはどんなものでしょうか?
発見2 家庭によって大きくバラつく湯使用量
続いて 当社お客様の、蓄熱暖房を使用しているお客様も含めた、給湯電力量、湯使用量の一覧表をごらんください。(表3)



2世帯住宅 一人住まいの方は除いてあってこの結果です。正直言って、この使用量の差に驚きました。
最少のA邸と最多のP邸では、年間電力使用量の差が3,573KWH 、率にして190%という大差が生じています。予想を大幅に上回る使用量の差です。しかもA邸、P邸が突出しているのでなく、4000KWH〜7500KWHまで 何KWHが標準といえないように使用量が均等にバラついています。使用量と家族人数、延床面積には、相関関係はみられないので、まさしく「各家庭の使用状況によって異なる」としか言い様が有りません。給湯電力量のシミュレーションに際しては、使用状況の聞き取りが不可欠であると痛感しました。

給湯を制するものは、省エネを制する

省エネを制するには、照明も、暖冷房も、給湯も、家電も総合的に進めるべきであるのは、まさしくそのとおりですが、特別に給湯に注目する理由はというと、1つには、湯使用量は水道使用量に直結すると言う事。当社はランニングコストゼロ住宅の普及を目指していますが、このランニングコストとは、光熱費の事を意味しています。しかし、ご家庭では、「水道光熱費」が月々決まって出て行くお金になります。今回の調査を通じて、上下水道料の節減に関する当社の取り組みは不十分なものであったと大反省しています。節水トイレ シャワー手元スイッチ 食洗器等の導入は依然どうりに進めますが、早急に取り組む課題として「風呂残り湯の再利用」をあげます。風呂の残り湯は、「水」としてもまだまだ価値を残していますし、「熱」としても「42℃x300L」の価値を残している大変再利用価値が高い材料です。荒筋は固まっていますので、近いうちに(半年をめど)具体的な提示を皆さんに行いたいと思います。


暖房に要する電力量 灯油量


 暖房エネルギーのシミュレーションは、決められた計算方法があり、それにのっとてエネルギー量を計算します。「Q値、日射取得、内部発生熱、床面積、平均気温」を数値化して計算するわけです。当社では2000年以降、この数量を計算してお見積り時にお客様に提出しています。このシミュレーション値と実際の使用量との比率が大事な数値になります。

電気蓄熱暖房は実消費率62%




表4は蓄熱暖房器を使用した際の暖房エネルギー量です。計算値と実消費量の比率は平均で62%、最大でも74% 「計算値の74%以下には納まります」とお客様にお話しても良いと思われます。なお このデータの平均坪数は、48.6坪ですので、他社と比較しやすく40坪に換算すると5,146KWHとなります。金額に換算すると税込み40,520円(40坪)
という額になります。

FFストーブは実消費率32%


CO2削減率
 
 表5をご覧下さい。FFストーブを使用した際には、実消費量との比率は、なんと平均で32%最大でも35%という集計です。「ゼロエネルギーハウス」の特集でも触れましたが、FFストーブの制御性の良さがこういう数字に現れるのではないでしょうか。平均坪数が42.3坪 平均消費量が445Lですので、40坪換算ですと420L 税込み19,900円(40坪)という額になります。表5をご覧下さい。FFストーブを使用した際には、実消費量との比率は、なんと平均で32%最大でも35%という集計です。「ゼロエネルギーハウス」の特集でも触れましたが、FFストーブの制御性の良さがこういう数字に現れるのではないでしょうか。平均坪数が42.3坪 平均消費量が445Lですので、40坪換算ですと420L 税込み19,900円(40坪)という額になります。
今月はここまでですが、来月は、ランニグコストのまとめと、いよいよ居住感アンケートの報告に入ります。数字ばかりで退屈ですが、来月は、実際にお住まいになっているお客様の生の声ですので、お楽しみにお待ち下さい。  

ランニングコスト(支払い金銭)

 当社のお客様が支払っている光熱費の平均額(税込)は40坪換算で、Aタイプ(蓄熱暖房器)172,278円、 
Bタイプ(FFストーブ)152,356円、という額になります。
(表1)時間帯別電灯10kv マイコン割引4k という設定で計算しました。



太陽光発電3kwを、搭載しますと 2002,2003年の平均額81,133円を控除して、A,Bタイプ各々、91,145円(A) 71,223円(B)となります。
全館暖房 24時間換気 オール電化ということを考えますと、かなり低い額だと思えますが、これに加え、エコキュート(ー28,843)、高性能エアコン(ー26,548)、太陽光発電4KW(ー27,044)を組み込みますと、Aタイプで年間ランニングコストが、8,710円になると試算されます。あとは、一般家電の省エネ製品導入がはかられれば、まさしくゼロエネルギーハウスの実現です。来年は、エコキュート採用のご家庭の電力量が数件いただけるので、この検証も兼ねた報告ができると考えています。
来年の報告も楽しみにしてください。

エネルギー消費量

前項では、支払い金銭というポイントから光熱費を考えました。 これは、各エネルギーの単価、基本料金といった要素が大きく影響します。 各ご家庭では、この額が最も気になるところです。しかし、国のレベルでエネルギー消費を考えますと、各家庭が、いくら光熱費を払っているか、という事よりも、一体どれだけのエネルギーを消費しているのか、ということの方が問題となります。それが、グラフ1です。当社お客様の数値は、全国平均より高く、北海道、東北、北陸地方平均、よりは下回っています。家の大きさも、家族人数もまちまちでしょうが、1世帯当たりの統計では、グラフ1の様になります。



出典(株)住環境計画研究所「家庭用エネルギー統計年報2001年版」

 諏訪地方の気候条件は、北海道と東北地方の中間くらいです。また、全館暖房率は(新築、既存含め)、北海道で50%以下、東北、北陸では30%以下と思われます。その点を考慮しますと、当社お客様の平均値は、非常に高い省エネレベルにあるといえます。これに先ほどのエコキュート、高性能エアコンを装備し、太陽光4KWを搭載しますと、11,643Mj/年となり飛びぬけて低い数値になります。

 尚 太陽光発電は、発電電力量を、環境を汚さず自給している事になりますから、省エネルギーへの寄与は、大変高くなります。ちなみに表2の下端に、太陽光3KWを搭載した場合の当社平均を付表ましたが、四国地方の平均より低くなります。

グラフ2は、一世帯当たりの消費エネルギーの内訳と総量をグラフにしたものですが、当社の客様は、全国的に見て、給湯エネルギーを多めに消費している。と言う結果が表れています。「給湯を制すものは、省エネを制す」1日も早く対応したいと考えています。



出展(株)住環境計画研究所「家庭用エネルギー統計年報2001年版」

 消費エネルギーの環境負荷を考える際、1次エネルギー(加工前のエネルギー量)に換算して比較します。電気は1次エネルギー換算値が高いため、一層の省エネ努力、工夫が必要とされます。[オール電化、と省エネ] は必ずセットで行われるべきものだと言えます。

灯油代高騰



2004ランニングコスト報告が遅くなり、たいへん申し訳ありません。  昨年、今年の灯油代の異常な高騰、フル電化住宅では、影響を受けていない方も いらっしゃいますが、FFストーブを組み入れている方は、いくら低ランニングコ スト住宅とはいえ、少なからざる影響を受けている事と思われます。「こう灯油が 値上がりすると、電気料(暖房)のほうが安いのでは?」という問い合わせも、耳 にします。そこで、現在灯油代74円/Lとした場合の、FFストーブ、蓄熱暖房器、 エアコン、3種のランニングコストを比較します。
 先ず、FFストーブについて計算します。灯油1Lの発熱量は、9600wです。ま た、FFストーブの器具効率(COP)は0.8とされています。この値から計算します と、1KW発熱に要する価格は、74円÷9.6KW÷0.8=9円64銭。
 続いて蓄熱暖房器について、電気1KWの発熱量は、やはり1KW器具効率は、0.99 とします。(メーカーカタログより)また、基本料の割り振り分が、1KW当たり約 0.61円[時間帯別電灯とし、(260x12)÷5146KW=0.61円]計算しますと蓄熱暖房 器で、1KW発熱するのに要する価格は、7.22円÷0.99+0.61=7円90銭。
 最後にエアコン(当社採用品)の場合、23:00〜7:00(夜間料金)の間の平均外 気温をマイナス7度とすると、その間の平均COPは2.1となり、7:00〜23:00の平均 外気温を±0度とすると、その間の平均COPは、2.7となります。その使用電力量比を7 (ナイトタイム):3(デイタイム)と仮定しますと。エアコンで1KW発熱するのに 要する価格は5円24銭(計算下記※1)表1の様になります。ただし、これが最終価格 ではありません。ここで、昨年のランニングコスト調査の時報告した「計算値と実使用 量の比率」を乗じます。(制御性の良い器具は、実使用量比率が低い)昨年調査平均よ り、FF=0.5(平均0.32) 蓄暖=0.7(平均0.62)エアコン=0.6(FF、蓄暖の 中間とし)、の比率を乗じますと、最終比較価格が出ます。それが表2です。この表は、 夜間電力7円22銭/KW、昼間電力25円47銭/KW、灯油量74円/Lの場合の燃費比較です。
逆に、電気料が変わらないとした仮定すると、FFストーブとエアコンの燃費効率の入れ 替わる分岐点は、灯油代48円/Lとなります。(灯油代が48円を越えると、エアコン暖房 の方が安価になる)同様にFFストーブと蓄暖の分岐点は、84円/Lとなります。※ 1 (7.22円÷2.1)×0.7+(25.47円÷2.7)×0.3=5.24円

           

エコキュートの実力

今回の、ランコス調査報告で、最も気になっていた事といえば、やはりエコキュートの省エ ネ性の数値であったと思います。
 今回、報告できる1年間のデータをいただけたのは、6邸6台のエコキュートです。6邸様の 状況は、平均坪数43.31坪、平均家族人数3.7人でした。その年間月別平均給湯電力と、昨年< へいへいほう紙上にて報告しました電気温水器電力(当社平均)とを「表3」と「グラフ1」
に表しました。
 電気温水器の年間使用電力(平均)は、5,591kwh、対してエコキュートの年間平均は、 2,817kwh。ちょうど半分(50.3%)と言う数値です。一般には、エコキュートを導入す ると、給湯電力費が3分の1になると言われていますが、当社のお客様データでは、2分の1 と言う実績です。それにしても年間21,000円のランニングコスト減とはなっています。一 般に言われる3分の1より効率の悪い原因は、冬季間のCOP(成績係数)が、温暖地域のよう には理論値どおりに上がらないためではないかと思われます。「グラフ2」をご覧下さい。
夏の最も使用給湯電力の少ない月を1として、各月の給湯に使用した電力を比率で表したも のです。温水器では、1月が最大比率で、1.83倍であったのですが、エコキュートでは、同 じく1月が2.5倍の数値を示しています。いくら寒冷地対応のエコキュートであるとはいえ、 冬には、省エネ性が、やや失速しているようです。





ゼロエネルギーハウスの現実性

当社の大きな目標の一つが「ゼロエネルギーハウスの普及」であるという事は、へいへ いほう読者の皆さんはご存知の事と思います。その為に、OB客様からのデータ収集、デー タに基づいたゼロエネハウスのシミュレーション等に取り組んできました。データに基づい たシミュレーションであっても、「計算は、あくまで計算、実際はどこまで、実現に近づい たのか?」と問いたい方も多い事だと思います。今回エコキュートデータをいただいた方の 内3邸様のデータを表4、5にまとめました。ご覧下さい。
 A様邸は、へいへいほう4月号で紹介させていただきました完全な「ゼロエネハウス」です。
けれどA様邸に限らず、B様、C様邸においても、太陽光発電を4KW塔載してさえいれば、 「ゼロエネハウス達成」は間違いなかったと思われます。本当に後一歩なのですが、当社の ゼロエネハウスは、普及供給体制に確実に乗りつつあるとの手ごたえを得ています。
 来年もランニングコストデータをいただくのが、今からを楽しみです。OB客様のご協力に 重ねて感謝いたします。

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