光熱費調査|諏訪・松本・伊那の注文住宅ホームライト 長野県の気候に適した暖かい家づくり

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光熱費調査

光熱費調査 2008

■中電諏訪営業所の偉業

グラフ1、グラフ2をご覧下さい。「中電諏訪営業所」が行った、「電気料金、電力使用量」の集計です。詳細は下記のとおりです。









H22年6月〜H23年5月の間の平均光熱費は120,182円という結果になりました。昨年度の実績は115,232円/年でしたので、4,950円UPしました。その原因は、「厳冬で有った事」「電気料金の値上げ」の2点だと考えられます。期間別に見ると5月〜11月の間は浮き沈みのほぼない同じような光熱費で推移し、光熱費が比較的に安価に済んでいることが読み取れます。



地域:諏訪営業所管内(6市町村+辰野他)   期間:平成20年1月〜12月 対象家庭:H17、18にオール電化契約加入の約370世帯(ほとんど新築住宅) 集計2系統:A オール電化(エコキュート、IHヒーター)+蓄熱暖房  約70世帯      :B オール電化(エコキュート、IHヒーター) その他暖房別途  約300世帯 結果は、次のようになります。



この集計のすごいところ

この集計の凄い所は、
①H17、18完工、諏訪管内のオール電化住宅をほぼ全て網羅している事。
②デイタイム、@ホームタイム、ナイトタイム別に使用電力量の集計がなされているので、エコキュート、蓄熱暖房に使用されている電力がほぼ算定できる事です。
また、何より、「光熱費何%減、暖房費何%減、給湯費3分の1に」という広告が、計算による推定だけで世の中に垂れ流されている中「一体何円光熱費が掛かるんだ?」との問いに、明確な回答を示した事は、賞賛に値すると思います。
データーから読み取れること・・・「オール電化は光熱費が安い」は真実だった!
グラフ3を見てください「地域別世帯ごと光熱費」のグラフに、上記中電のデータを入れてみました。(B系統の暖房は、灯油にて「800L×50円+消費税」にて計算しました。)中電のデータ以外は、築何年も経過した世帯も含めたデータですので、H17,18年新築の平均に比べれば全体的に安いと思われます。(根拠はありませんが)「オール電化+蓄熱暖房」の年間光熱費は、(新築を評価せずに)そのまま比べても全国平均より低く、北海道、東北、北陸地域と比べると、10%〜15%低いという結果になっています。




当社のデータ
では、いよいよ 当社20邸様の平均データです。H18年7月完工〜H20年3月完工までの全お客様、24邸中、二世帯住宅3邸を除いた、21邸中20邸様のデータです。グラフ4をご覧下さい。年間光熱費 116,441円、年間消費電力 6,925KWH という結果でした。家族数の平均は3.75人、単身世帯はありません。これを先ほどのグラフに追加したのが グラフ5です。中電のデータに比べると、サンプル数は少ないのですが、建築棟のほぼ全てのデータという点は、評価いただきたいと思います。






分布図の示すこと
この当社の20邸様を、光熱費と床面積の 分布図に落としてみました(グラフ6)。 建物の床面積に係わらず、9万円〜15万円の間に幅狭く収っています。20邸様の平均光熱費は、116,441円ですが、この分布図の示している事は、もっと衝撃的です。「当社の建物に住めば、いろいろな家族構成、床面積、電気の使い方は違っても、15万円以上は掛からない」と読み取れるからです。平均値は、実際のデータが、上下にばらついても、その平均を示してきますが、これから建築する自分の家が、その最大値と同じ光熱費がかかるかもしれない、という不安は拭い去れません。この分布図のピンクの帯が幅狭なのが、その不安を吹き飛ばす答えなのです。違う言い方をしますと、「当社の建物に暮らして、光熱費がこの帯の外に出るのは、何か使い方に問題がある」とも言えます。データは時として人を驚かせるような指摘をしますね。


■当社二通りの断熱仕様
ご存知の方も多いと思いますが、当社では、「1型」「2型」の2通りの断熱性能の住宅をラインナップしており、御客様にお選びいただけるようにしています。今月は、この二通りの断熱仕様の「年間光熱費と年間消費電力」の比較から始めますが、先ず 2つの断熱仕様の違いについて、説明します。


■「次世代省エネルギー基準」とは?

皆さんは、家を新築するに当たり、「ある基準以上の省エネ住宅(暖冷房について)を建築するように」という法律があることをご存知でしょうか?「聞いた事がない」という方が多いでしょうが、実は、そんな法律があるのです。
 「エネルギーの使用の合理化に関する法律」と言うものが、昭和54年にできまして、その法律に基づき、「住宅に関する省エネ性の基準」が策定されました。「この基準以上の省エネ住宅を建築しなさい」というわけです。その後、省エネの必要度が増すと共に、平成4年、平成11年と、2回の大幅改正が行われました。この平成11年に改正された基準を一般に「次世代省エネルギー基準」と呼んでいます。この次世代基準では、全国を6地域に分け(寒さの厳しい順に1→6)各地域の断熱性能基準を決めています1地域は北海道の大半と、東北の一部、2地域は、青森、岩手、秋田の大半と、他県山岳部の一部です。ちなみに、(原村、富士見町、茅野市、塩尻市、伊那市)=2地域に、(諏訪市、岡谷市、下諏訪町、松本市)=3地域に、区分されています。他社の広告に「次世代基準3地域対応」とうたっている物を目にしますが、茅野市とか、原村に建築すると基準違反という事になります。法律では、「建築主(施主様)は、省エネ住宅を建てる様努力しなさい。」「関係省庁はその基準を作りなさい」という事ですから、別に違法建築物ではないのでしょうが、これだけ「地球温暖化、化石燃料の枯渇」と大問題になっている時代に、「もっと厳しく運用しても」とは思いますね。ここで、当社の断熱仕様に戻りますが、この次世代省エネ基準に沿って、「次世代省エネ基準1地域適合=1型」「2地域適合=2型」と2通りの断熱仕様をご用意しているわけです。「1、2型」とも住み心地は同じく快適ですが、「1型」は、建設費が坪1万2,3千円高くなり、年間光熱費は低くなります。この比較をしていただき、どちらかの断熱仕様をお選びいただくというようにしています。  「1型、2型」の光熱費差額はシミュレーション値より「8,000円〜10,000円/年」とお話してきましたがデータはどうか?グラフ1をご覧下さい。「1型」の平均の方が、1年を通じて安く、特に冬期間は月に 2,000円〜3,000円の差が生じています。グラフ2を見てください。年間合計では「16,819円」の差額という結果です。ただし冬季間の差額は 9,584円であり、暖房費の差額はこれ以下と推測されます。「冬期間以外の差は何だろう?」という疑問がわきますが、エコキュートは同じ品番の物が、同様に設置されていますし、IHヒーターも同じです。「冷房費がかかっているのかも?」を調べる為に、1,2型の昼間と、夜間の電力使用量をグラフにしてみました。(グラフ3,4)ところが「冷房が使われるであろう昼間の使用電力は、両型ともほぼ同じ」という結果でした。両型の冬期間以外の電力使用量の差は、どうしてか不明ですが、家の断熱性能の差によるものとは考えられません。データ数がもっと増えてから、再度検証したいと思います。
 以上より、現時点では「1、2型」の光熱費差額は、シミュレーション値と同じく「8,000円〜10,000円/年」と考えて良いと思います。
参考までに 先月号に掲載した分布図に「1,2型」を色分けしてみました。(グラフ5)、又同様に 先月号の地域別光熱費グラフに「1,2型」平均を別に表示しましたものがグラフ6です。














家庭内CO2排出量

1、光熱費起源CO2に限定して比較を
2、既存住宅と新築住宅は基準を分けて
3、新築住宅の規制を早めに
※光熱費起源CO2=電気、ガス、灯油等光熱費の基となる消費エネルギーから発生するCO2
 (以下光熱CO2と表示)
家庭内排出CO2を具体的に削減するためにクリアーしなければならないポイントを3点上げてみました。先ず

1、光熱費起源CO2に限定して比較を

 家庭内から排出するCO2は、4種類に分けられます。A:光熱費起源 B:水使用によるもの C:ごみの処理によるもの D:自家用車のガソリン使用によるもの(参考グラフ7)。




このうち、建設業者が住宅を工夫する事によって削減できるCO2はA、B、の2点です。ガソリンは、車に対する規制の方がより効果があるでしょうし、ごみは、各家庭の取り組みに期待します。A、Bの2点に関しても「どんなエコ住宅に住んでも、一般家電の電力使用など住宅性能に無関係であり、個人差があって比較できない」という意見もあるでしょうが、実際は「優れたエコ住宅」に住むと、一般家電も含めたCO2総発生量が削減されます。それは、CO2発生に最も影響の大きい「暖冷房、給湯、調理、照明」が激減するので、一般家電の使用量に注意するという傾向が現れるからです。もう1点は、月ごとの光熱費が少なくなるので、「1000円多かった、500円少なかった」という細かな管理に目が行くようにもなり、結果として一般家電使用量が削減されます。(光熱費は、CO2発生量とは、比例しませんが、料金でチェックするのが現実的です。)
 以上の理由で、「エコ住宅」を目指す会社は、年間光熱費及び光熱CO2の予測(根拠ある)を明示して御客様が比較しやすくするべきです。(水使用CO2は別の機会に触れます)


2、既存住宅と新築住宅は基準を分けて
 
 家庭内CO2排出量の基準として、よく使われるのがグラフ7の数字です。これは、国全体の家庭からのCO2発生量を単純に全世帯数にて割ったものです。全世帯には世帯全体の28%を占める単身世帯(※国勢調査報告より)、やアパート、社員寮も含んでいます。ですから、この数値(5,200Kg/世帯・・光熱CO2では3,240Kg/世帯)はひとつの目安としてとどめるべきで、現在の新築住宅の基準として取り扱うには、低すぎて不適当です。かえって新築住宅の光熱CO2レベルが比較しにくくなってしまいます。では新築住宅の光熱CO2は何を基準とすれば良いかを考えて見ます。CO2は、「京都議定書」に6%削減という表現が盛られた事もあり、建設各社とも、各々独自の基準から何%削減という表示をするようになり、現在の混迷を招いたものです。例えば、光熱費であれば何%削減というより、95,000円〜130,000円予測と表示した方が、はっきりするし、責任を持った予測といえます。同じように年間CO2 予測・・・3,200Kg〜3,900Kgと表示する方が、何%削減と言うより責任を持った予測と言えます。ただし、この際 「年間光熱費が95,000円は、安い!」と誰でもわかりますが、「年間CO2・・3,200Kgは凄く低い!」と分る人がほとんどいない事が問題です。ですから必要なのは、基準ではなく、標準です。「このごろの新築住宅は、だいたい光熱CO2がどの位出るものなのか」という数値が常識として定着することが望ましいと言えます。当社として標準的と考えている数値は「5,000Kg〜6,000Kg」です。
グラフ8に、当社の「1、2型」の平均データ、中電諏訪管内のオール電化住宅、(暖房が蓄暖でないものは、灯油800L使用として計算)、NEDOの2、3地域の一次エネルギー消費基準(125㎡)を基に計算したもの、セキスイハウスカタログより2例、とグラフ7の単純世帯割の9例の数字を表しました。このグラフから低い方に突出している当社と、単純世帯割の数値をはずすと、新築住宅の光熱CO2は、5,000Kg〜6,000Kgくらいが標準と見て取れます。(蓄熱暖房を使用している住宅は、逆に高い方に突出しているのではずしました) 又、オール電化に注目すると、蓄熱暖房のオール電化住宅は、「光熱費は安いが、CO2は多い」という結果になり、「CO2排出のA級戦犯」扱いされかねません。しかし、オール電化住宅は、「安全、清潔、光熱費が安い」という長所があり、普及の勢いも凄い物があります。当社の建物の様に、オール電化の長所はそのままにCO2発生も激減させる事が、オール電化住宅普及の第2ステップだと思います。 

3、新築住宅の規制を早めに

 住宅は、視点を変えてみれば、CO2を排出続ける装置です。その新築時にCO2発生に関する規制をかければ、新築年にとどまらず、その後継続的にCO2削減が見込め、全体として大きな効果が得られます。既存住宅の地道なCO2削減活動と共に、新築住宅への何らかの規制を行政に期待したいと思います。

 

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