第八回.家の中は安全でないといけない。バリアフリーとは何か。
今まで快適な熱環境と家自体の耐久性についてぱかりお話しさせていただいたので、今回は"パリアフリー住宅"についてお話しさせていただく事としました。住宅金融公庫の新しい決まりとして『省エネ』『高耐久』『バリアフリー』このいずれかの一点を満たしていれば、基準金利(いわゆる一番低い金利)を適用しますと言う制度が出来ました。「今さら何を言っておるんだ!その三点を満たしてないと基準金利にしてやらんぞ。」と本来公庫が言えば良いのでしょうが、今の所そうでは無い様です。
話しは外れてしまいましたが、この、バリアフリーは『障害物が無い』という意味です。平成6年のデータによりますと、家の中での事故による死亡者は、七三二四人にものぽり、実に一日平均二十人もの方が亡くなっているそうです。本来安全でなけれぱいけない住まいの中で、この様な状況が発生しているわけです。『バリアフリー住宅』と聞けば『高齢者』『車イス対応』等をイメージする人が多い様ですが、単に高齢者向きの住宅と考える事では不十分であると考えています。「私の家族には高齢者はいないからバリアフリー住宅でなくて良い。」と考えているとしたなら、これは間違っている様な気がします。
『身体的な諸機能が低下した人にとって安全で安心な住まいは、ほぼ万人にとっても安全で安心な住まいである。』これが基本ではないでしょうか。そして単に安全というだけでなく、毎日を気持ちよく暮すための快適性、機能性等をプランニング時点で隅々まで検討する事によりお客様にとって必要な住まいが見えてくるのではないでしょうか。私共はいわゆる、『バリアフリー住宅』でなくても、以下三点については、標準仕様としています。
1.階段は基準よりも緩やかである事
2.部屋とローカ、部屋と部屋との間の段差が無い事
3.トイレ、階段には手摺りをつけるか、将来つけられる様にしておく事。
この他に、浴室と脱衣場に段差が無い。車イスが通れる建具巾、ロッカー巾。このあたりも70%位は達成しており、近い将来100%この仕様になると思われます。
公的な住宅融資制度も、このバリアフリーに対し優遇しており、先に述べた金利の優遇措置の他に、融資額についても、住宅金融公庫で450万円。年金住宅融資で330万円〜670万円の割増融資が受けられるしくみになっています。この融資を受けるためには、細かな基準(例えば、他室との段差3mm以下)がありますので、プランニング時点から、検討する必要があります。造り手側と十分お話し合い下さい。
『省エネ』『高耐久』『バリアフリー』この3点セットが、ごくあたりまえになる日は、そう遠くはないと思います。