第三回. 高気密・高断熱の言葉とその現状について
北海道型」「北海道仕様」「高断熱高気密」「超高気密」「省エネ基準」等。新聞、チラシなどで目にする言葉です。
どれもこれも良さそうなもですが、その中身を少々分析してみました。(表1)
この表1からわかるように、断熱材の厚さは各社によって違いがあり、その結果、熱抵抗値には、驚く程の差があります。また、表2をご覧いただきたいのですが、やはり各社により大きな違いがあることが分かります。
文頭のメインコピーだけを見ると、「みんな同じで良さそう」なのですが、実状では、表1、2から読み取れる様にそれぞれ大きなバラツキがあります。何が問題なのかと言えば、「高気密・高断熱住宅」の定義が不明確のまま広がっているからであり、「高気密高断熱」と表現すれば、売れる(売りやすい)という考え方が、住宅を造るサイドにある事の樣な気もします。したがってユーザーさんにとっては、かなり、わかりにくい状況なのではないでしょうか?
北海道を出発点としたいわゆる「高気密・高断熱住宅」は、東北・信越から九州まで日本全土に広がっているのですが、全体のシェアからいえばまだ数パーセント位でしかない様です。しかし、この諏訪周辺は、全国的にみても、この高気密高断熱住宅の先進地であり、レベル的にもかなり高い(間違わない手法を持っている)地域と言えます。したがってユーザーさんは、「高気密高断熱」とか「北海道」とかの言葉だけで『良さそう』『快適そう』と判断するのではなく、『熱損失計数は?』『気密化の方法は?』『換気計画は?』『暖房計画は?』などを私ども造るサイドの人間に聞いていただき、またメリット、デメリットを研究し、ビルダー選定の判断材料としていただきたいと思います。言うまでもなく高気密高断熱がすべてではないのですが、本物の高気密高断熱住宅は、手法さえ間違わなければ、確実に「省エネ」であり、「快適」であり、「耐久性」にもすぐれています。
言葉はおなじでも内容は各々違っているわけですが、前文の通り諏訪周辺のレベル(高気密高断熱の)はかなり高いと思われますので、この住宅のメリットを 十分に生かした家造りを考えていきたいものです。