第十三回. 実験報告 窓の結露実験
古くて新しいといわれる話題なのですが、冬に窓等に発生する結露について自社で実験をしました。結露のメカニズムは、理論的には非常に簡単です。『空気中に含まれる水分が、飽和温度より低い温度の物体にふれると水に変わり、物体に水滴が付く状態』なのです。窓ガラスに結露した現象は、ほとんどの皆さんが体験していると思いますが、実は条件によっては、壁の表面、壁の中などでも結露は発生してしまいます。これを防ぐ為に、室内側に防湿気密シートを貼ったり、室外側に防風防水透湿シートを貼ったり、通気層を確保したりと、様々な工法、工夫が必要となってきます。今回は「ガラス」「窓枠」の結露について実験をしました。一辺が九〇?の箱を作り、四面にそれぞれ種類の違うサッシを取りつけ、壁にはキッチリと断熱施工をし、気密シートを貼りめぐらせました。冷蔵庫の四面にサッシを取りつけたと考えていただければわかりやすいでしょう。箱の中には、ドライアイス三?を入れ、箱内を冷却します。温度計を入れ、温度変化と結露状況を三時間にわたり調査しました。サッシ、窓枠の種類は左記の四種類です。
?アルミ枠単板三?ガラス?外側アルミ枠、内側プラスチック枠のガラス三?の二重サッシ?アルミ枠のペアガラス(ガラス三?、空気層六?、ガラス三?)?プラスチック枠のペアガラス断熱サッシ(ガラス三?、空気層十二?、ガラス三?)
実験開始時気温二〇度、湿度六〇%、実験箱内温度十九度。以後の結果を下記表に記しましたのでご覧下さい。表のとおリ大きな違いがあります。これは各部位毎の熱抵抗の差による結果といえます。ガラス面に現われる結露は「表面結露」です。従って目に見える事が出来ますのである意味では、まだそれ程不幸な出来事ではないのですが、この様な状態が壁内で現われる結露があり、「内部結露」と呼ばれ、これが非常に問題となっています。